今月のお天気

7月・梅雨明け前後
キーワード 夏山本番!太平洋高気圧

「梅雨明け」後にはいよいよ夏本番となります。よく「梅雨明け10日」といって梅雨明けから10日間は晴天が続くと言われています。しかし、最近ではそんなにはっきりしたものではないような気がします。しかし、高山への登山に最も適した時期であることに間違いはありません。今回はその「夏」を演出する太平洋高気圧に注目しますが、それに加え夏山の危険の一つである雷にも注目しましょう。
さて、その前に「梅雨明け」についてです。最近では「梅雨明け宣言」は「実はあのとき型」になっているので、宣言されてなくても梅雨が明けている(晴天が続く)こともあり、あまり気にする必要はありません。だいたい「梅雨明け」なんていうものにさしたる根拠はありません。単なる気休めです。日本人はそういうの好きですからね。
梅雨明けというのは色々パターンはありますが主なものは天気図から前線が消えている、あるいは北に上がっていて、帰ってくる(南下する)見込みがないという状態などです(上図、ただし梅雨明け前にも一時的にこのような形になることがある。)。


おそらく7月の海の日前後の連休あるいはその翌週末に泊りがけで山に行かれる方は多いと思います。その辺にポイントを絞りましょうか。まず、晴れる原因は図の太平洋高気圧です。ただ、西への張り出し方が弱いと、却って湿った空気を送り込むばかりで天気は悪くなります。また、この高気圧にがっちり覆われて天気がいいほど雷雨の可能性は高くなります。これが大きなポイントです。さて、周辺にも注意してみましょう。夏でも低気圧はやってきます。こいつがやってきたらやはり天気は悪くなります。そんなとき当然高気圧は東に引き下がっているはずです。また、オホーツク海に高気圧があると、東北から関東の太平洋側に低い雲ができます。ただ、中部山岳地帯には影響がありません。また、高気圧の勢力が強い場合は図のように台風がやってきても高気圧にはばまれて、その縁を移動していきます。
では雷について最も大事な点、いってみましょう!雷というのは積乱雲が原因であることが殆どです(全てではありません)がその場合は「温暖前線によるもの」「寒冷前線によるもの」「強い日射(昼間の晴天)によるもの」に大きく分けられます。もし雷につかまったらどれが原因かを考えましょう。「寒冷前線によるもの」はそれまでずっと悪天のはずなので分かるでしょう。この場合は状況によって一時的に行動を中止した方がいい場合もあるかもしれません。前線の影響が消えれば天気は快復する可能性が高いからです。「温暖前線によるもの」ならば今後雷雨が過ぎても天気は快復しませんからスキを見て行動しなければならないかもしれません。また、「強い日射によるもの」の場合は1時間前後で快復し、ケロッと晴れてしまうことが多いので、無理に行動せずやり過ごした方がよいです。これらの見極めは天気図あるいはそれまでの天候の推移で判断します。難しくはありません。
しかし、晴れていても夕立があるっていうんじゃあ

「夏山に雷はつきものである!」

ってことですか?なんかヤですね。しかし、夕立が起こりやすい山と起こりにくい山はたしかにあります。経験的には岩稜帯では起こりやすい(地面の熱容量が小さいからか?)、風上に大きな水系があると起こりやすい(水蒸気が多い)、といったカンジです。しかし、とりあえず

「上空に寒気があるとき、夕立はお約束」

で、さっきも申し上げたように場合によっては

「無理して動くな!」

しかし、とにかく雷を予測することが大事なのですね。強い上昇流が積乱雲の元ですから、ガスの動きを観ましょう。
「勢いよくガスが湧きあがっていくようなら要注意」

あの、雷につかまったらどうすれば・・・という人がいるかもしれませんが、

「それより、行動は早い時間に切り上げる!」

え、どうしても聞きたいんですか?

「新・山の天気」にも書きましたけど

「電気屋さんに聞いて下さい!」


次回は「台風」の予定です。




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