今月のお天気

7月・梅雨明けまで
キーワード 梅雨末期の集中豪雨

7月に入ると各地で集中豪雨の被害が多くなります(特に西日本)。これは梅雨前線に沿って西から次々にやってくる低気圧が直接の原因なのです。地上天気図は図のようになります。梅雨前線が切れて低気圧が単独で存在するように見える場合もあります(たとえば下図)が、どちらにしても、この時期は「梅雨前線」というのはあまり気にせず、「数個の低気圧がある」という風に意識した方が考えやすいと思います。さて、梅雨末期に起こる豪雨は低気圧単独の力だけではなく、周囲の高気圧や上空の状態など非常に複雑なシステムによりますが、まずはとにかく地上の低気圧に注目しましょう。

前線が停滞しているものの低気圧が現れていなかった6月とは違い、この時期はある程度天気予報を信じた方が無難ですね。実際割と当たります。得意の低気圧関連だからですね。また、豪雨というのは山ではかなり危険だからでもあります。そしてこの時期は特に注意すべき事があるのですよ。それは>温暖前線も寒冷前線と同等の注意をしなければならないということ。さっきも述べた低気圧を取り巻く状況によって、積乱雲が次々と発生する可能性が高いのです。実際過去の長崎の豪雨(1982年7月23日)なども主に温暖前線が原因でした。

梅雨末期の低気圧はいつもより凶暴である!
こう覚えておきましょうね。さて、これに伴って注意しなければならない点がいくつかあります。これは経験談であるので知っておいて!
一つ目は登山道の崩壊について。最近では北アルプスの白馬大雪渓や笠新道が豪雨で被害を受けたのを知っている人もいるでしょう(去年は双六方面への林道が崩壊し、荷揚げできないということで「名物・鏡平のかき氷が」なかったのだ!カナシイ)。また沢沿いでは橋が流されれば徒渉するしかないが激流であるから身動きはできない。雨の後は落石なども多くなる。
二つ目は道路について。いまでは麓から歩いていくような奇特な人はほとんどいないでしょう。つまり、交通手段を使うということですな。山の道路は雨に弱いのですよ。しかも大体において、しこたま降ってやっと天気が快復するかな、といったあたりで崩壊します。これではせっかく晴れても山に入れない。いや、それならまだいい。山に入ったものの帰れない!といったことも起こる。これらは、バス・タクシーでもマイカーでも同じこと。
最後はそれらの情報について。道路はだいたい「〜村」といったところが管理していますが、問い合わせてもあまり役に立たない。「復旧の見込みは分かりません」の一点張りです。それならまだいいけど、既に復旧してるのに「復旧していません」と答えた村もあった(ダメ元で行ってみたのだ)。あるいは「道路が崩壊してバスが出る見込みは当分ない」というので、仕方なく帰ったら実は道路は何ともないことが分かって、5分後にバスが出たと聞いたこともあった。まったくねえ…。
とにかく

「交通手段がなくなることがある」

後先のことまで考えておこう、ということ。

「豪雨の被害はワンテンポ遅れる
「行きはヨイヨイ帰りはコワイ!」


ということも頭に入れておくべき

で、予報については

「低気圧に注目」
「温暖前線も怖い」


そして

「予報は信じてもいいが、役所は信じない!」


次回は「夏山本番!太平洋高気圧」の予定です。




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