冒険からヒルネまで
思いつ紀行


山の仲間たち編
「いろんな奴がいるもんだ」の巻
山の中に入れば動物たちに出会う。たいがいは嬉しいものだが、あまり嬉しくないのもいるにはいる。まあ、向こうにしてみればやはり、人間なんぞに逢いたくはないわけで(「お、エサが来た!」という喜ばれ方をする場合を除く)、お互い様なのだが、クマ、毒ヘビ、スズメバチなどにはできたら逢いたくない。スズメバチには群れに襲われたことがあるのでなおさらなのだ。
ライチョウさんは天気が悪くなってくると出てきます
ライチョウ
ライチョウはとても好きだ(食べ物としてではないよ)。ああいった丸っこい鳥は無条件に好きなのだがライチョウはとても可愛い顔をしている。また、家族で行動していることが多いので、微笑ましい。天気が悪くなってくると「グェーグェー」とひどい声で鳴き出し、出てくる。悪天の高山でガスの彼方を見つめるその姿は哲学的でもある。自分は残念ながら冬毛のライチョウは見たことがない。高山の鳥ではほかにイワヒバリ、イワツバメなどがお馴染み。イワヒバリはビュンビュン音を立てて空を舞っている。イワヒバリは山頂などで寄ってくる愛嬌ものだ。

目につく昆虫類はあまり嬉しくないヒト達の方が多い。吸血系のものが多いのだ。甲虫類はよほど気合いを入れて探さない限り出会わない。蝶はたまに見かける。何かを語りかけているような飛び方をしているように感じることが多く、出会うと嬉しい。ホントは怒ってるんだったりして…。
カモシカさんはいつも草を食っています
カモシカ

哺乳類はやはり多い。最近はカモシカをよく見かけるようになった。このヒトはとにかく逃げない。目の前まで行ってもだ。じーっとこちらを見つめている。たいがい草だかなんだかくっちゃくっちゃさせながらである。図体がでかいのでちょっとコワイが性格は非常におとなしいようである。シカといってもウシ科だからね。ニホンジカも多い。こいつらはカモシカより警戒心が強いようであるが、雲取白岩山や丹沢山頂付近のヒト達は非常に図々しく異色である。ゴミを残置したり、えさをあげる登山者がいるせいだろう。よくないなあ。
リス、オコジョ、テンもよく見かける。モモンガ、ヤマネなども場所によっては多いようだ。かわいらしいので森の人気者である。冬毛のオコジョは涸沢より上、木曽駒周辺等かなり高い場所で見かける。神様の使いとされているという話を聞いたことがあるが、確かにそんな雰囲気を持っている。
しらびそ小屋名物のリスさん、ホシガラスさん
りす
ホシガラス

ちょっと異色だが西表のジャングルの中でやたらと多かったのがキノボリトカゲ。元々自分はこの手の奴は好きなのであるが、「カワイー!」と思ってしまったのだ。普通こんな動物というのは人間が近づいてきたら逃げるもんだが、わざわざ出てくるのだ。かさかさ、と音がすると道の横から突き出た枝の先でお出迎えしてくれる。それがえんえん続く。嫌いな人はたまったものではないだろうが、よく見てみるといい。すごく可愛い顔をしてるんだから。あと普通の山にも多いのはカナヘビ。鮮やかな金色で、「まいった!」というカンジだ。このトカゲさん系は人間に対して警戒心が薄いようだ。逆にヘビさんチームは気が弱いのかすぐ逃げてしまう。

北八ヶ岳のしらびそ小屋は動物の集まる小屋としても有名だ。リス、ホシガラス、シジュウカラ、ゴジュウカラなどが集まってくる。ホシガラスは人気者だが、ヒマワリの種では駄目で、ピーナッツかクルミでなければイケナイというゼータク者、しかもおあずけすると窓をこんこんたたいて催促する。まあ、それも愛嬌。

他にも挙げきれないくらいいろんな奴がいる。こいつらが住みにくくならないような心配りをして山歩きをしたいものである。


北八ヶ岳しらびそ小屋


とにかく行ってみたら?とだけ言っておこう。冬は小屋の朝食時間が丁度リス達の朝食時間と重なり(窓の外がすぐリス達の食卓)、楽しい。冬でも比較的安全に行けます。




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