今月のいい山

8月
キーワード ちょっとスリルのある岩稜 穂高特集!

おススメの山 みどころ
穂高・北穂〜槍 あこがれの大キレットへ。意外と安全?!
穂高・北穂〜奥穂〜前穂 穂高縦走入門。でも、油断は禁物。
穂高・奥穂〜西穂 一般ルートとしてはなかなかの難ルート。馬の背はかなりコワイ!
穂高・北穂東稜(バリエーション入門) 涸沢の喧燥がウソみたい。だあーれもいない道(道というほどのものはないか)。



穂高

涸沢盛夏
岩稜帯の縦走は何故か心ときめく。そんな人なら一度は穂高に行ったことがある、あるいは一度は行ってみたいと思っているだろう。そして一度行ったら最後、2度、3度と足を運んでしまうのだ。

穂高は四季を通して良いが、何といっても夏だ!あの独特の雰囲気。人の多さに多少辟易とすることもないではないが、それも雰囲気作りに一役買っているのかもしれない。8月、お花畑にミヤマトリカブトが多くなってくるとせつなくなる。ちょうど子供の頃夏休みが終わりに近づくにつれて覚えた感覚だ。当分会えないね…また来月は紅葉を見に、再来月は初冠雪を見に来ようと思っているのに。

朝に上高地に着いてその日は涸沢まで、という人が多いと思う。強い人なら稜線まで行ける。またあまり使われないが、新穂高から一気に穂高岳山荘のある白出のコルに到達することもできる。これはガイドブックではとんでもない所要時間が記載されているが、雪渓が消えていればそんなにかからないし、人が少ないのでよい。ただし、歩きづらいところが多少あるのと、だいぶ早くから目標の山荘が見えるので却って辛いかもしれない。富士登山をしたことがある人ならその辛さが分かるだろう。
奥穂からジャンダルム。
雲海に奥穂の影が映っている。

さて、どのコースを縦走するか迷うところだ。はっきり言ってどれも良い。技術等と相談して選択することになるだろう。岩稜帯の縦走で気をつけたいのは、危険地帯を過ぎたあたりで気をゆるめないことである。教科書的な言い方だが、本当である。危険地帯等については市販のガイドブックに譲るとしてその他気づいた点を挙げておこう。

大キレットは高度感はあるものの道や鎖等がしっかりしているので意外に危険は少ない。ただし、人が多いので人為的な危険が多い。

北穂〜奥穂間は短いが、ちょっとした危険地帯が多い。

ジャンダルムはピークにも登れるが、奥穂側からは難しい(ロープがついているが、古い場合は使わない方が無難。使わないとかなり難しい)。

左はジャンダルムのピーク、右はゴジラの背
バリエーションとなるが、北穂東稜を辿るコースを紹介しておこう。一般登山道は北穂の南稜についているが北穂沢をはさんだ尾根を東稜という。。東稜は登山道が北穂沢から離れ左に入るところを反対の右に曲がり、ガレをトラバースして行く。行く手には二つのルンゼが見えるが、その右のルンゼを目指す。地形図がはっきりしなかったのではじめて行ったときは迷った。この取付きまでいけばあとの進路は分かりやすい。
下部まで来たらルンゼの右岸(進行方向で言えば左側)の草付きが歩きやすい。ルンゼは上部で二俣に分かれ、それは右に行かねばならないので、どこかで左岸に渡らなければならない。自分の場合結局、出合まで行ってトラバースしたが、かなり怖かった。ルンゼは急傾斜で足場はガラガラの最悪なので、良いところを見つけてトラバースしたい。

二俣を右にとると突然足場が安定し、歩きやすくなるお花畑を見る余裕も出てくるだろう。涸沢がはるか下に見える。ぽっかりと平坦地に出るとそこが東稜のコルである。

本谷側からの北穂東稜(通称ゴジラの背)
ここは静寂そのもの。

ここからいろいろなルートが選べる。このままゴジラの背に取付いて東稜を北穂山頂目指して行っても良いし、また、核心部には巻き道が右手についているのでそちらを行ってもいい。かなり歩きやすい道である。あるいは本谷に向かって下って行けば北穂池に到達する。穂高の中でも秘境中の秘境である。北穂池は往復でもいいが、池から稜線を目指せば大キレット縦走路のA沢のコルに到達するので、それでもいい。ちなみに北穂池へ行くだけなら本谷をつめて行く方が一般的だそうである(パトロールの隊長が言っていた)。「北穂池の方に行くんだけど…」とパトロールの人に言ったら「へえー、どうやって行くの?」と言った程、だあーれも行かないところ。もちろん最高の場所である。しかし、逆に単独行だと心細いかもしれない。また、ちなみに自分の場合このような場所に単独で行くときは念のためヘルメット携行である。




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