今月のいい山

6月から7月
キーワード 花の多い山 北アルプスにはちと早いか?

おススメの山 みどころ
北八ヶ岳・しゃくなげ尾根 針葉樹林帯の花が多い。登山道はしゃくなげのトンネル。
南八ヶ岳・硫黄岳から赤岳にかけて 梅雨にしか見られないツクモグサ、ウルップソウ、イワウメ
櫛形山 花の宝庫・アツモリソウにも会えるか?
北岳 キタダケソウに会いたければ、この時期に無理するしかない。



八ヶ岳情報

しらびそ小屋のあるみどり池(後方は稲子岳)
みどり池
個人的には何と言っても八ツなのである.梅雨期の北八ツについては、少し前ヤマケイに紀行を書いた(97年1月号)位好きなのだ。たとえどしゃ降りでも小屋がいい。いつもはテントだが、このときは小屋泊りする。空いているのもいい。様々な小屋があるが、どれもお気に入りである。。ロマンチストやぐうたら(全然違うけど)はしらびそ小屋(私の中ではナンバーワン)、知られていないがゼッタイ満足するのは根石山荘、夏沢鉱泉、本沢温泉は雨が降ってご自慢の露天風呂に入れなくても、小屋掛けの湯がなかなかである。縞枯山荘はあったかい雰囲気でかわいい作りの小屋、大酒飲みなら北横岳ヒュッテもいいかもしれない(行けばわかる)。

自分のお気に入りはこんなところだけど、他の小屋も個性的でいい小屋ばかりだ(お世辞ではなく本当である)。ただ小屋に泊ってみる、という目的だけで行っても十分満足して帰れると思う。

北八ヶ岳は、その多くが針葉樹の森である。そして池が多い。「池めぐり」というテーマはどうだろうか。森の中では雨は気にならない。白駒池は少しメジャーになりすぎた感があるが、雨池、双子池、亀甲池、七つ池と回るコースを組んでみるといいと思う。北横岳へはロープウェーでなく歩くことになるが、この道は知られざる良いコースである。ガスのかかった池は幽玄そのもの。まさに梅雨期にピッタリであるし、自然と多くの花に出会えるコースでもあるのだ。また、みどり池周辺にも多くのスポットがある。
亀甲池
亀甲池


梅雨期にぜひ山に行ってほしいのはこの時にしかみられない花が咲くからである。八ヶ岳稜線ではツクモグサが先陣を切って咲き、イワウメ、ウルップソウ、コマクサと続いていく。雨やガスの中で心細くなっているときに出遭う花というのはまた一味違うものだ。花好きの私にとって、梅雨は最も好きな季節でもあるのだ。また、他の高山帯よりも割と自由に歩き回れるのも魅力で、群落や、「こんなところにこんな花が?」的な、自分だけ(と思っているだけか)の発見もあったりする。

とはいえ、雨の中の山行は疲れる。やはり下山後は温泉だ。稲子湯はぴりぴりするくらいの泉質が良く、ご主人をはじめ、従業員の方々の雰囲気が良い。どっか(八ヶ岳ではありません)とは大違いだ。ちょっと離れるが、海ノ口温泉郷というのがあって、空いていてなかなかよろしい。昭和40年代の温泉ホテル風がいくつかある。諏訪側では金さえあれば辰野館や明治湯に泊りで行きたいものだ。こちら側はやたらと温泉があるのでいちいち書くときりがない。変わり種をひとつ。蓼科の北山(299号と蓼科湖の間)付近に「石遊(いしやす)の湯」という露天風呂がある。ついでに、このすぐそばの民宿「隆雄荘」はなかなか雰囲気のいい宿だった。




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